4段落目
Spotifyの項、その後同社より詳細が発表されました。
2018年12月現在、同社はReplayGain(2001年頃からあるラウドネスノーマライズの仕組み)のアルゴリズムに基づき、これにより算出されるレベル+3dBを再生時の基準としているそうです。また、これに近似する-14LUFSを、入稿時のターゲット・ラウドネスとするよう推奨しています。
なお、将来的にはITU-1770に準拠したラウドネス算出の仕組みに移行する予定とのことです。
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同項2段落目
下記の配信サイトについては、その後基準値の変更が確認されています。
2019年9月末頃より、規定ラウドネスがこれまでの「独自アルゴリズムによる-13.5LUFS前後」から、「R128/ITU-BS.1770準拠の-14LUFS」に変更されていることが確認されています。
ただし、その後も何度か細かい変更が生じているようです。
2020年1月29日より、PC版ではR128/ITU-BS.1770準拠にて-15LKFS/LUFSのラウドネス正規化が開始されることが同社より発表されています。
また、iOS、Androidについても後日、同様のシステムが導入されるとのことです。リンク
第2版では、新旧の各種メータと併せて、2017年にリリースされたMeterPlugs社のDynameterを紹介しました。
これをMix/Masteringの際にどのように活用すればいいのか?ラウドネス・メータを置き換えるものなのか?について度々ご質問いただきました。
あくまで筆者の私見ですが、作品制作時にそれなりのモニタ環境と、ダイナミクスの参考としたいリファレンス音源があれば、Dynameterを使うよりも耳で作業を行う方が目的とする形に近付けられるように思います。
また、Dynameterが売りとしている「各配信プラットフォーム向けの最適化」を行うのであれば、相変わらずラウドネス・メータは必須となるでしょうし、Dynameterはそれを置き換えるものではありません。
では、Dynameterがどのような場面において効果的かというと、
既存の楽曲がミックスに成功している、あるいは逆に、なんとなくおかしなことになっているように感じたとき、何が起こっているのかを理解するのに役立つことがあります。「とーくばっく」でも紹介したような、大サビが最もダイナミクスを欠いていたケースなどが、その典型でしょう。
業務でMix/Masteringを行う立場にある場合、より高RMS、かつ低DRの音源制作を依頼されることもあるでしょう。クライアントの要望が、YouTubeをはじめとする各種配信プラットフォームにおいて明らかに不利益を被るほどにダイナミクスを削ぐ話であり、そのデメリットを説明する必要を感じたときなど、論点を伝えるツールとしては有効であるように思われます。特にこの事柄についての知識がクライアント側にない場合、これまでは処理の異なる複数の音源のラウドネスを揃えた上で聴き比べることもあったかと思います。これに加えて視覚に訴えるDynameterのグラフは、ときに大きな説得力を持つものと思われます。
個人的には、過度にダイナミクスを欠いた音源に対するグラフの配色が、気の滅入るような焦げ茶色やグレーに設定されているのは、ややあざとすぎるようにも思われますが…
ここでは、本の内容をよりよく理解するのに役立つサイトをご紹介致します。
Mike Seniorが講演の質疑応答で説明したお話の要約です。
https://togetter.com/li/1226955
Mike Seniorが講演の質疑応答で説明したお話の要約です。
https://togetter.com/li/1237876
第2版のコラムに書ききれなかった内容を詳説しています。リンク先のサンプル音源は必聴かと思います。
https://togetter.com/li/1221365